富山県パラスポーツ指導者協議会

教室訪問vol.5フットベースボール教室

今年の7月は雨続きで晴れる日はあまりなかったのですが、8月に入ってから晴天続き!それどころか大変な暑さが続いており夏バテになりそうですね。

そんな今回は富山県内の障がい者スポーツ教室のフットベースボール教室を訪問してきました!フットベースボールってなんぞや?という方もおられると思いますが、平たく言えば野球をサッカーボールで行うと言った競技です。そこそこの年代の方なら「夢はMORIMORI」という昔の番組でSMAPさんや森口博子さんがやってた競技です。キックベース、ケッチなどという呼び方もあるようですね!

フットベースボール教室

日時:2020年8月23日(日)9:30〜12:00
場所:富山県総合運動公園・屋内グラウンド

富山県総合運動公園の屋内グラウンド。とても綺麗です!

フットベースボールは全国障害者スポーツ大会でも団体競技として採用されており、北信越・東海ブロック予選会にも遠征して出場しておられます。予選会で優勝して全国大会の出場を目標に練習をされているそうです!

まずは集合して全員に手指の消毒をします。その後体温を測り、体調を確認しておられました。今回の参加者は選手14名、指導員4名です。選手ひとりひとりに喉の痛みや体のだるさ、熱感の有無をしっかりと尋ねておられ感染対策及び熱中症対策も万全で練習を開始します。

練習はまずは屋内グラウンドをランニングして体を温めて行きます。その後ストレッチと体操を行い、筋肉の柔軟性を高めます。

練習中はマスクを外していますが、新型コロナウィルス感染症の感染防止のためになるべく密にならないように1m以内に人と人がいないようにと指導員が見守りながら練習を続けていきます。

練習を見守る指導員

体も運動に慣れてきたところで本格的な練習の開始です!2人1組になってキックの練習です。足の内側でボールを受け止め、足の内側でボールを蹴り相手に返します。いわゆるインサイドキックと言われるキック方法ですが、ボールを正確にミートする事ができるため、正確に思った方向にキックできるという利点があります。

今度は足の甲にボールを当ててキックする練習を2人1組で練習します。こちらはより遠くに飛ばせるようなキック方法でホームラン狙い!みんな遠くに飛ばしています。

さて、いったん休憩に入り、手指の消毒と水分補給をします。今年は新型コロナウィルス感染症のために選手も普段の運動量が大きく低下しているとの指導員のかたのお話でした。選手ひとりひとりの体調を常に見ながら、あまりに動きが多いと少し休ませたりしているそうです。フットベースボール教室に参加している選手たちは学校を卒業した若い人が多いので運動量が多くなりがちなのをしっかり指導員たちがコントロールしているそうです。

さて、気分もリフレッシュして練習の再開です!今度はより実践的な練習が始まりました。指導員が投手となりバッティング練習をしました。選手は思い切ってボールを蹴って、ホームランを狙います。

その後、せっかくみんなが集まったからという事で2組に分かれてゲーム形式で練習することになりました。ですが、みんなあまり体力を使わないように野球盤形式で行う事としました。野球盤形式とは、守備は3歩までしか動けないという事で、外野より外にボールが行けばツーベース、ノーバウンドで外野より外に大きくキックしたらホームラン、というルールを作り、ゲームをすることになりました!やっぱりゲーム形式はみんなイキイキしますね!

守備は3歩までしか動けないので、事前に打者が打ちそうなところを守っています。それを打者が考えてなるべく守備の薄いところに向かってキックしますが、なかなかうまくはいかないものですね〜。

フットベースボールは最初に書いた通り、全国障害者スポーツ大会の正式競技で、毎年北信越ブロック大会に出場しています。ベスト4まで行くのですが、なかなか決勝まで進む事ができずにいますが、全国大会出場を目標に練習を重ねています。選手は若い人たちが多く、学校を卒業してもこうやってみんなと会えるのが楽しいとお話していたのが印象的です。

選手や指導員の方たちに少しインタビューをしてきました。

Aさん:こうやってみんなと集まって練習するのは楽しい!ずっと集まる機会もなかったので久々にあえて話をするのも楽しかった。
Bさん:就労支援で働いているので外出制限が厳しい。だけどフットベースボール教室に行くのは許してくれている。普通に外出できるようになってほしい!
Cさん:野球が好きなのでフットベースボールは楽しい!野球は用具やユニフォームなどたくさんお金がかかるのでフットベースボールはあまりお金がかからないのがいい!

指導員Dさん:新型コロナウィルスのせいでなかなか外出ができなくて選手たちも相当体力が落ちているので指導員が気をつけて選手の体力を見ながら指導している。仕事先でも外出制限が相当キツいようだがフットベースボール教室は安心と思っていただいているようで参加を許可してくれているところが多い。信頼を得るためにもしっかりと消毒や体温チェック、ソーシャルディスタンス確保の徹底を心がけて運営をしている。

ゲーム形式の練習も大変盛り上がって、選手たちはニコニコとしながら終わりのミーティングを迎えました。長く参加している選手も多いようですっかり友だち同士の和やかな輪ができています。今年は北信越ブロック大会も中止となりましたが、来年の大会に向けてすこしずつ練習を開始していくようです!

フットベースボール教室にご興味のおありの方はぜひ一度見学にいかれてみてはいかがでしょうか?ルールもわかりやすく、皆さんとてもフレンドリーでしたよ!指導員の方も「ぜひ一度体験にきてみてください!」とのことでした。

富山県内の障がい者スポーツ教室は第5回まで続きましたが、富山県の新型コロナウィルス感染症の増加が続いたのでいったん休止いたします。また再開しようと思っておりますのでぜひご期待ください!