富山県パラスポーツ指導者協議会

【教室訪問】Vol.15 水泳教室

日時:2023年7月27日(日) 12:30~14:30 (12:15ロビーに集合)

場所:富山市民プール

この日は日差しも強く暑い日でした。富山市民プールのロビーに12:00頃から集まり、当日参加する方が集合したら、皆さん一緒に更衣室へ入りました。

私は取材の為プール内での撮影許可を頂き撮影を行いました。

教室に通う参加者は、2グループに分かれて泳ぎます。
●サブプール(泳げない人)水深1.0m
●メインプール(泳げる人)水深1.4~1.7m

指導者は、全員ピンク色のチャップを着用されます。プール内に入っていても一目で指導者と分かります。当日は9人の指導者の方がいらっしゃいました。

男性指導者が少なく、絶賛募集中だそうです。なぜ男性指導者が必要かと言うと更衣室内でのサポートがあるからです。スムーズに着替え、プールへ行く事も大切です。

参加者はお子さんから年配の方まで幅広く、年齢、障害も違い、また泳げるレベルもそれぞれの様子でした。

サブプール(上写真)は、指導員が6人。
25mプールをゆっくり参加者の泳ぎの様子を見て、無理のない泳ぎを考えながら、プールを往復されていました。

ビート版や、長い浮き棒などの使用を織り交ぜながら、時折笑い声が聞こえ、みなさん楽しそうに泳いでいらっしゃいました。


一番気をつけられているのは、「水の事故」と言われていました。参加者から目を離さない様に指導員が連携されていました。市民プールの監視員の方々もみえますが、多くの目で監視して頂くと安全に泳ぐ事ができます。

この日参加者のAさんが突然、サブプールからメインプールに移動してしまいます。移動距離約30m。
その時、すかさずAさんの後を指導員が追いかけ一緒に移動しました。一般の方も見えますし、足元も滑ると危険なので、指導員が付き添う必要があります。

Aさんはメインプールで少し泳いだ後、満足した様子でまたサブプールに突然戻ろうとしました。戻る時は、近くに私が居たのでサポート役としてAさんの後ろを追って行きました。足元が滑るので追いつく事ができませんでしたが、無事サブプールに戻る事ができホッとしました。


メインプール(上写真)は、指導者が3人、

1つのレーンは泳げる参加者が4名、指導者が1人。参加者の様子を見ながら、次はこの泳ぎと伝え、参加者が一列になり大きな水しぶきを上げて泳いでいらっしゃいました。

メインプールのもう1つのレーンには、久しぶりに来た参加者Bさんと指導者が2人。

Bさんとのコミュニケーションをとる時間を長くとり、Bさんの様子を見ながら、泳ぐように促し、泳いだ後は、出来た事を褒め、「じゃ、次、かえるポーズやろうか?」、「できるよ!」、「やってみようよ!」とBさんの様子をみながら声かけをされていました。

Bさんの気持ちを切らす事なく、泳ぐ事を促す指導は素晴らしいと思いました。


参加者の中に女の子がいました。名前は「すいちゃん」。(名前の公表は親御さん了承済)集合の時、ロビーでも愛くるしく、指導員と笑顔で会話していました。私から見るとかわいいアイドルでした。

すいちゃんのお母さんも一緒にプールに入ってみえましたが、お母さんと一緒に泳ぐ時もあれば、指導員と一緒に泳ぐ姿もありました。

すいちゃんが頑張って泳ぎ終わり、プールサイドに手を掛けた時、「頑張ったね」と声を掛けると、とてもいい笑顔を見せてくれました。

いい笑顔に出会えて私も幸せを感じました。


指導者の喜びは

「できなかった事が出来る様になった時」と皆さんおっしゃっていました。

気を付けている点は、『水の事故が無いよう』としい場でないといけない』

①参加者に声を掛けて ②参加者の表情を見て ③参加者の反応をみて、無理せず指導されているそうです。

また、今日練習に来た参加者は、交通機関(バスなど)を使用したり、送迎してもらえる人で、プールまで来れる人達です。

障害を持ってみえる方で泳ぎたくても、プールへ行けない方、プールに行く事を諦めている方がいっぱいいらっしゃいます。

その様な方々が、泳ぎたい時にプールに来る事が出来る様になる事を水泳教室の指導員の方々が日々思っているそうです。
プールに来る事が出来れば、自力で泳ぐ事が出来なくても、指導者と一緒に水に浮く事や、少し体を動かすととてもいい運動になります。ただ水に浸かっているだけでもいい運動になりますし、リフレッシュにもなると思うのですが・・・

先日、重い害のある人が海水浴をされたニュースをテレビでみました。夏の暑い日差し、青い空、青い海の下気持ち良さそうに「海水浴ができると思わなかった。」と感想を述べてみえました。別の団体さんが実施された海水浴ですが、素晴らしい活動だと思いました。

障害のある人を家から外(プール)へ、そして継続して運動へと勧めていくには、パラスポーツ指導員、行政、関係する各部門が協力して、できる所から少しづつ、前に進めなければならないと思います。

泳ぎたい人がプールに来て「泳げてよかった」と笑顔で言ってもらえる日が来る事を期待して止みません。

水泳教室のみなさん、取材させて頂きありがとうございました。