富山県パラスポーツ指導者協議会

【教室訪問】Vol.11 ブラインドマラソン教室

ブラインドマラソン教室を訪問してきましたので、報告します。
担当者の 川口さん(選手兼任)にメールにて連絡し、練習日と集合場所をを教えて頂きました。

集合写真です。青い空、紅葉、最高の練習日和です!

​2022年11月12日㈯ 9:30~10:30
集合場所:富山県総合運動公園「きらめき茶屋・空」 おしゃれな名前です。
皆さんはどこにあるかご存じですか?
私は、Google Mapsで検索して見つける事ができました。
富山県総合運動公園に白いかまぼこ形の室内グラウンドの横ら辺が集合場所でした。

この建物が きらめき茶屋・空 集合場所です

当日は🌞がまぶしい位で、日差しは暖かでしたが、風が若干冷たく、少し強い風が吹いていました。しかしランニングするにはいい日でした。


 ブラインドマラソン教室の歴史は、2017年にクラブとして立ち上げられ、
今年2022年から「教室」へと格上げになった新しい教室です。
 今回の取材に当たり、長森さんと生駒さんも一緒に参加して頂きました。
 開始時間の9:30が近くなると障がい者ランナー、ガイドランナーがビブスを着用して集合されました。
 ブラインドマラソン教室によく参加されている障がい者スポーツ指導員は、この日4名みえました。
この方々もみえたので、初めての訪問でしたが、緊張なく参加できました。
 集合の後、障がい者ランナーとペアを組むガイドランナーの名前を読み合わせます。
当日は8名の障がい者ランナーとガイドランナー15名と見学3名の計26人が集まりました。
スケジュールは下記の通り。
①まず自己紹介。円陣組んでおり、
 左回りで順番に自己紹介をしました
②集合写真撮影
 枯葉の絨毯の上で、全員で撮影。
 朝日を浴び気持ちよかった~
③クロスカントリーコース 2.1㎞/周
 を2周~5周程度、それぞれの
 走力と調子に合わせて周回している
 そうです。
④休憩、連絡事項
⑤解散
 10:30の解散でしたが、話に花が咲き、楽しい時間が続きました。

ブラインドマラソンに必要な道具は、「きずな」と呼ばれるロープです。

長さ1メートルほどを輪にした物。

 このロープを障がい者ランナーとガイドランナーが軽く握ります。ロープを弛ませる方、ピンと張る方それぞれの好みがあるので、相談して決めるそうです。

みなさんそれぞれ楽しく走って見えました。「写真とってますよ!」と声をかけると、皆さんはちょっとかんだ笑顔や手を挙げたりして答えて頂きました
それぞれのペアはリズムよく走ったり、歩きながら会話したり、それぞれのペースで練習されていました。
 ピンク色のビブスの方々は、伴走チームの「Azu’As」、「Niko’As」2つのチームの方々が見えていました。どちらも磯野あずささんに関わりがあるチームで、伴走をする為と自分の為に日々走りを鍛えてみえるそうです。
 皆さん、初めてお会いしましたが、パワフルで気さくで明るい方々でした。
 その中のおひとりにお話しを伺いました。伴走を始めたきっかけを教えて頂きました。
お友達から誘われ、私でよかったら・・・と1回/週の練習に参加から始められたそうです。
その時のペアになった障がい者ランナー同じ様な走力だったので、ガイドランナーは障がい者ランナーよりも速く走れる事が必要なのでご自身の走力アップの為、練習を積まれ、頑張られたそうです。
ガイドランナーをやっていると色々な「気づき」があったそうです。
 一人で走っていては、気づきはなかったと言われました。私達晴眼者は、目で見て走っている場所の情報を得て、考えなくても足元段差や石などを避ける事ができます。
しかしガイドランナーは、目で見える情報をタイミングよく、分かる言葉でペアの障がい者ランナ-に伝えないといけない為、走りながら、よく観察する様になり、またどのタイミングで選手に案内すればよいか?早すぎても、選手が不安になるし、遅いと危険なので、ちょうどいいタイミングで案内する事が重要なんです。
 それらは、経験を積む事で徐々にできる様になり、自分の中の処理能力がUPしたと実感したそうです。その気づきができる様になった自分の成長を感じ、自身の喜びの1つとなっているそうです。
ガイドランナーの大切なお話の一部を聞く事ができました。
晴眼者とは:視覚障がい者の対義語として視覚に障害のない物を表す言葉)
富山県障がい者スポーツ指導員のおひとりにお話しを伺いました。
参加されている理由は?
 自身の健康維持(メタボにならない)の為に走る様になったそうです。
 また、走りながら人の役にたてたら、私も楽しい。との事でした。
【指導者の話】磯野あずささん
練習の後の会話の中に、磯野さんからの適切なアドバイスがありました。
トレッドミルってご存じですか?
トレーニングジムに通ってみえる方はご存知と思います。
室内でランニングやウォーキングを行う為に健康機器。昔に言い方ではルームランナーです。
視覚障がいのある方の中には、伴走者と共に走れる機会は限られている為、トレッドミルを利用して一人でも走る工夫をなさっているそうです。
磯野さんがトレッドミルで「走るイメージを作るのに役に立つ」と言われていました。
詳細には、
・足をつくる
・無理しないペースをつかむ
・走り続ける。距離が走れる
・伴走者がいなくても走れる。練習ができる ←これの効果が大きい。
しかし、トリッドミルの利用には注意点もあります。
安全上、どこかに捕まるなど、一定の姿勢のまま走ることになるので、姿勢が前かがみになりがち。
悪い癖をつけない様に利用頻度、利用時間、姿勢に気を付け、目的を持って利用されると良いと言うアドバイスもありました。
また磯野さんにブラインドマラソンについてお話を伺いました。
ペアで走る魅力を広めたい。と言われていました。
視覚障がい者は、一緒に走る相手がいないから走れない。
けど、一緒に走る相手がいたら走れる。
走る事は比較的気軽にできるし、やりやすい運動なので仲間を増やしたい。
とおっしゃっていました。

次の目標、大会情報を伺いました。
2023年3月25日(土)、26日(日)の常願寺川マラソンを目指して頑張っていらっしいます。
 常願寺川マラソンは、誰でも、気軽に、楽しく、走れる様に来年からは目的や目標に合わせて走りを選べる様に設定されたそうで。
リニューアルされた事によりさらに魅力的なマラソン大会になると感じました。生活用車いすでも参加できるそうです。
このマラソンのボランティアを当協議会でも募集予定です。沢山の指導員の参加お願いします。(後日改めて募集)

—-常願寺川マラソン 詳細情報—–
●レースの部●
  ・レースの部 [10Km、5km、3km]
  ・車いすレースの部 [10Km、5km]
●マイチャレンジの部● ※自由スタートによるネットタイム計測(計測タグ
  ・[10Km、5km、2.2km]
●エンジョイの部● ※計測なし、当日申込可
  ・車いすエンジョイの部
  ・エンジョイの部

 また、再来年ホノルルマラソンへ参加したい。
と障がい者ランナーの声もあり、夢が大きく、今後の練習の目標となり励みになりますね。きっと希望がかなうと思います。
【余談】
川口さんは、10月におこなわれた「全国障がい者スポーツ大会 とちぎ大会」のSTT(サウンドテーブルテニス)競技で見事!銀メダルを獲得されました。
当日、皆さんに見てもらおうと、持参してこられました。とても素敵なメダルでした。
ガイドランナーから
「よっ!メダリスト!」と声をかけられ、周りは暖かな笑いに包まれていました。
アットホームを感じる教室でした。
最後に、川口さんに富山県障がい者スポーツ指導員に向けて一言を頂きました。
 身体動かす事が好きな方であればどなたでも、一緒に走り、一緒に汗かきましょう。
 来られる時は、事前にメールをして下さい。との事でした。
皆さん、一度参加されてみてはいかがでしょうか。