富山県パラスポーツ指導者協議会

【教室訪問】Vol.10 聴覚陸上競技教室

今回は聴覚陸上競技教室を訪問して来ました。
先月に行われた第22回富山県障害者スポーツ大会 陸上競技会の時に聴覚陸上競技教室選手の方と跡治さんにお会いし、次回聴覚陸上競技教室に取材に行かせて下さい。とお願いしたことから実現しました。

日時:2022年6月26日(日)10:00~12:00
場所:富山県総合運動公園 サブグラウンド(富山市南中田368)

練習場所は、富山県総合運動公園のサブグラウンドや、五福陸上競技場(富山市五福五1942)のどちらかで練習されている事が多いそうです。
今回の練習場所のサブグラウンドは、陸上競技場の横にあります。
私が駐車場からサブグラウンドに近づくと、遠くに手話で会話する方々の姿を見つけ、その方向に進みました。

当日の最高気温は35°となっており、練習前に橘さんは手話で「休憩を取りながら、早めに終わりましょう」と言われていました。比較的強めの風が吹いていましたが、日差しある時は、めっちゃ暑かったです。
日よけの為、テントが立てられました。このテントには、
「D・RUN」「社会福祉法人 富山県聴覚障害者協会 陸上競技部」と書かれていました。このテントが次回行く時の目印になりますね。

「D・RUN」の意味を伺いました。
  (deaf デフ=聴覚障害)+RUN(走る)の意味です。

聴覚陸上競技教室は創部50周年を越える歴史の長い教室と伺いました。
この日は創部当時に三段跳びの選手だった井藤さんもみえていました。
橘さんも走歴42年と長く陸上をやられているそうです。それぞれ年数を聞いて素晴らしいな~と思いました。

この日はお仕事などでお休みの方もみえましたが、6名が参加されていました。
この聴覚陸上競技教室では、各種目基本トレーニング、短・中・長距離の練習、投てきの練習を
されています。

練習開始には、トラック前に整列し、一礼をされてからトラックに入られていました。
全員でトラックをランニング。少し走った後、小休憩。水分補給をします。
その後、投てきの練習と、走る練習に分かれました。


今日お休みの方が投てきの球を持っていらっしゃる為、球がありませんでした。投てきの道具がなかったので、跡治さん(聴覚陸上部事務局)が、急遽総合運動公園の事務所に
「貸し出してもらえる投てきの道具はありませんか?」と電話され球の代わりに投てき用の
「ジャベリックボール」を借りる事になりました。
電話の後、山岸さんが事務所まで取りに行かれ3個のジャックボールを持って来られました。
役割分担をした速やかな連携プレーでした。

「ジャベリックボール」を初めて見ました。
これは、腕と肩甲骨を大きく動かし楕円のボールを投げることで、身体全体を大きく使った投げ動作を身に付けることを目的として制作されたそうです。
投げると写真赤〇部の笛に空気が入り音が出る構造になっています。ゴム製なので、当たってもそれほど痛くなかったです。

ジャべリックボールが3つあったので、2人1組で私も入れてもらい、ジャベリックボールのキャッチボールを始めました。
富山県障害者スポーツ協会の恒川さんからジャベリックボールの投げ方を丁寧に教えて頂きました。

走る練習の選手の方々は、マイペースでトラックを走られていました。
トラックには他のチームの方々も練習されていました。


途中また小休息し、水分補給。

練習の終わりに1列に並びトラックを歩きました。
その後、全員で整理体操を行いました。

大村さん(手話ボランティア)にお話し伺いました。
大村さんは橘さんから練習の連絡を受け、都合の良い日に参加されるそうです。
練習を見ながら、選手の皆さんと手話で楽しく会話されていました。通常は選手の為に特にする事はないですが、万が一選手がケガした時が心配です。とおっしゃっていました。

11時30分過ぎ、整理体操を全員で行い、テントの後片付けをしました。
暑い日で大変でしたが、練習お疲れ様でした。

橘さんからのお願い事として、

陸上競技の知識を持っている障がい者スポーツ指導員の方、来れる時で構わないので、練習に参加をお願いします。

手話が出来る障がい者スポーツ指導員の方の参加もよろしくお願いします。
 いつでも練習を見に来て下さい。

橘さんの今後の夢は、このクラブから全国大会やデフリンピックに出場する選手を育てたいので、
若手選手の育成、サポートに力を注ぎたいとおっしゃっていました。

最後は全員で記念撮影しました。
次回の練習は7月10日㈰です。練習場所は富山県空港スポーツ緑地陸上競技場できときと空港横のグランドですが、急に変更が入る場合がある為、事前に橘さんにFAXにて連絡してご参加下さい

橘さんの連絡先(FAX番号)は、富山県障害者スポーツ協会発行の「令和4年度 富山県障害者スポーツ教室のご案内」(今年度はオレンジ色の冊子)に記載されています。


【手話について】
手話を勉強するには、各市町村で開催されている手話奉仕員養成講習会を受講する方法があります。
まず初めは、「入門講座」を受講し、そののちに「基礎講座」を受講する事になります。それぞれ受講期間が8ヶ月ほどかかります。1回/週の開催です。講座受講は開始のタイミングが1回/年しかないので、受けたい時にすぐ受講は難しいです。計画を立てて腰を据えて受講する事になります。

しか~し、いつでも手話の勉強を始める事もできますよ。

1つはYouTubeです。検索すると沢山でてきますよ。初歩としては挨拶の手話の動画から見てはいかがでしょうか。動画ですので繰り返し見て練習できます。
また、アプリでも手話が勉強できます。前回の富山県障がい者スポーツ指導者協議会の「えがおだより(第6号 2022年3月発行)」にもスマホアプリ特集で紹介させて頂きました。指文字を勉強できたり、ゲームを進めながら手話を勉強するアプリもあります。

指文字とは・・日本語の50音を指で表したものです。

手話は沢山覚えないといけないな~難しい。と始める前にハードルが高いと思われますが、「指文字」でひらがな50文字を覚えるから始めるのもいいと思います。チャレンジしてみてはいかがでしょうか。