富山県パラスポーツ指導者協議会

障がい者スポーツ指導員 中級 受講報告

JPSAの上の赤色は「火の鳥」をモチーフ                               安井 浩美

平成29年度 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会 公認
中級障がい者スポーツ指導員養成講習会を受講してきましたので、報告します。

受講資格:初級を取得して2年以上経過している。かつ80時間以上の活動経験を有する者。

開催地:今年は山口県下関市
講習会場:下関市社会福祉センター
実技会場:下関市障害者スポーツセンター、下関陸上競技場、下関スイムクラブ上田中
開催期間
〔前期〕平成29年9月29日(金)~10月3日(火) 5日間
〔後期〕平成30年2月8日(木)~2月12日(月)  5日間   10日間で合計56時間の講習
定員:40名 でしたが今回は24名が受講


受講理由:初級取得後、富山県障がい者スポーツ指導者協議会に所属し、各種競技会(水泳、陸上、フライングディスク、卓球)の大会のお手伝いなどを通じて、障がい者の方と関わっていく上で、もっとスポーツを楽しんでもらいたい、スムーズに的確な手助けやアドバイスがしたいと思い、障害について理解を深めたい、勉強したいと思いました。
また、2020年東京パラリンピックで何かお手伝いををしたいと思ったからです。


受講前の準備
日本障がい者スポーツ協会に「申込書」を送付 → 「受講決定通知」を受理 →
ホテルの予約、電車の切符購入、会社への有休申請など → 【前期、後期受講】 →
「終了証書」受理

自分で富山から下関への電車での行き方を調べ切符を購入。
ホテルも1週間ほどの宿泊になるので、早めにインターネットで予約しました。ホテルを選ぶに当り、ホテルから各講習会場までの移動手段の事も調べました。下関では「サンデンバス」のバスカードを購入しバスを利用しました。コインランドリーの場所もリサーチしました。


荷物準備:講習に当たり、必要なテキストは事前に注文し受講当日受け取りました。
実技で必要な、体育館で運動する準備、陸上競技場で運動する準備、プールにも入るので水着、ゴーグル等も持って行きました。結構荷物があります。


講習内容:障がい各論(身体障がい、知的障がい、精神障がい)、救急処置法、スポーツ心理学、スポーツと栄養、トレーニング論(実技含む)、身体のしくみ、補装具の理解、発育・発達、文化としてのスポーツ、スポーツ指導における留意点、、最重度障がい者のスポーツの実際。全国障害者スポーツ大会(略して「全スポ」)の歴史と目的と意義、実施競技の内容、また障害の区分、指導法と競技規則

実技:サウンドテーブルテニス、陸上競技(スラローム、ジャベリックスロー)プール、フットベースボール、フライングディスク。実技内容はその時々に異なります。

講習は種類も多く。各障がいについてより深く学ぶ事ができました。またビデオ等も見せて頂き、分かり易い講習でした。講師の先生方は日本を代表する専門の先生方、また長く障害者スポーツの指導に関わってみえた先生方で、経験談などはひとつひとつ重みがあり参考になりました。

【最重度障がい者のスポーツの実際】
最重度の障がい者の方は車いすを降りる事が既に運動になります。障害によっては目を動かすだけでも運動になると聞き驚きました

講習の中で最重度の障害者役を交互に行いながら、スポーツ指導員役が障害者役の背後に位置し、全身を支える為にまず両足膝内側で障害者の腰を保持しながら、片手は顎の下で顔を保持し、もう片方の手で運動を行います。リズムがゆっくりなラジオ体操の曲に合わせ、手を交互に動かすの難しく、めちゃめちゃ筋力、体力が必要でした。
また、手作りの台車に障がい者と一緒に乗車。落ちないように背後から体を支え、別の人が台車のロープを引きゆっくり台車を動かす。床に障害物を敷き、台車がガタガタ揺れる感覚。風を感じる感覚。のれんをくぐり肌に感じる感覚。山積みしたダンボールにゆっくりとぶつかる。日常生活では得られない感覚全てがスポーツと教わました。
今回は講習でしたが実際に行う際は、障害者が緊張せずに、体を預けてもらうまでには信頼関係が必要。信頼関係を得るには言葉かけと時間も必要なのでやりがいのある仕事と思いました。

今回の講習の為、広島から実際に使用されている道具を各種たくさん運んで頂いた関係者の方のご努力に感謝します。本物を見て、使ってみる事ができた事は大きな収穫でした。


【補装具の理解】では実際に義手、義足を実際に触れる事ができました。、健常者が義足の体験ができるものを持ってきて頂き数人が実際に装着し体験しました。
義足はその人に合わせる為、微妙な調整だったり、サポータの素材(厚み)、重ね履きにより調整したりといろいろ工夫しながら、各競技に取り組んで見えるという実際を知る事ができ、貴重なお話を聞く事ができました。


サウンドテーブルテニスでは講師先生の他に、全国トップの成績
を修めてみえる選手の方にお越し頂き練習相手をして頂きました。
講師の先生と選手の方のラリー中の
会話を聞いていると、練習を重ねられてできた信頼関係を垣間見る事が出来き、信頼関係が大切な事の1つであると再認識!

 

 

フライングディスクは競技大会のお手伝い(表彰係)をした時に、競技の内容は知っていましたが、
実際にディスクを投げてみると的の中を通すのが意外と難しかった。自分では真っ直ぐ投げているつもりなんですが、曲がってしまいます。10投連続で的に入れられる人は神技です。

 


フットベースボールは見るのもやるのも初めての体験でした。ルールの説明、パスの練習、その後3チームに分かれミニゲームを行いました。今回は体育館の中での実施でしたが、実際にグランドで行う時は遠くまでボールを拾いに行かないといけないので体力の必要性を感じました。

 


 

講習の中では、課題を与えられ、グループで話合い、その結果を発表するという時間がありました。
色々な経験を持って見える方々との話合いは新しい発見ばかりで、刺激を受けました。
私も発表させて頂きましたが、なかなか上手くまとめられず中途半端な発表となったと反省していますが、今回の失敗を次回の成功にステップアップして行きたいと思います。


感想
後期講習の2月は北陸地方は大雪で特急サンダーバードが運休が続きなんとか動いてくれないかと願っていましたが、移動日は運休でしたので、北陸新幹線で東京へ、東京から下関に行きました。実は帰りもサンダーバードが運休。東京経由で帰ってきました。ご褒美でしょうか富士山が見れました。


今回の講習を受けて、障害、障害者、競技に対する理解が深まった事の他、受講した24人の仲間に出会えた事も大きな収穫でした。九州から関東までに仲間ができました。10日間で協力したり親睦会でも有意義な時間を過ごす事が出来、一生の宝物となりました。各地で仲間が頑張っていると思うと私も富山で頑張って行こうと思っています。

今回の受講でたくさんの知識、刺激を受け今後の活動の原動力を蓄えさせて頂きました。
この経験を障がい者スポーツの普及、支援に生かす活動につなげて行きたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の中級の受講者は24名。20代~70代と年齢の幅も広く、職種もさまざまです。
合計10日間、講習や実技、親睦会により、24人が友であり仲間になる事ができました。
この出会いを大切に今後の障がい者スポーツ指導員の

講師の方々は日本障がい者スポーツ協会の各委員の先生方や、障がい者スポーツに長年携わってみえる先生方でした。